中部経済産業局記者クラブにおいても同時に記者発表します。 |
平成15年8月25日(月) |
産業労働部産業技術課 |
担当 戸田、坂牧 |
内線3385 3386 |
(ダイヤルイン)
052-954-6349 |
(財)科学技術交流財団 |
担当 小坂、松吉、松井 |
電話 052-231-1477 |
地域研究開発促進拠点支援(RSP)事業の成果発表会(RSP新技術フォーラムin愛知)を開催します。
〜大学の知と地域企業の汗が大きな技術に〜
財団法人科学技術交流財団は、「RSP新技術フォーラムin愛知」と題し、地域研究開発促進拠点支援(RSP)事業の成果発表会を開催します。 この発表会には、基調講演のほか、平成14年度に実施した8件の育成試験の成果が含まれます。育成試験とは、大学等公的研究機関の技術シーズを育成して、企業における実用化につなげようとするもので、たとえば「ポリアミド樹脂の接合性改良技術の開発」、「ポリマーブレンドによる生分解性農業用ネット・ロープ他の開発」、「木質圧縮材の機械部品への使用試験」など多くの新技術の芽を育てています。
1 開催概要 (1) 開催日
平成15年9月19日(金)午後1時〜6時
(2) 場所
社団法人名古屋銀行協会 5F(名古屋市中区丸の内2-4-2) (3) 申込み期限 平成15年9月12日(金) (4) 申込み先
財団法人 科学技術交流財団 (5) 参加費 基調講演・成果発表 無料 交流会参加 2,000円 (6) 定員
150名(定員になり次第締め切ります。)
2 発表内容
(1)
基調講演 「技術移転施策と地域、大学、JST」 <科学技術振興事業団 企業化開発事業本部技術展開部 部長 細江 孝雄> (2)
成果発表 ア 「超小型皮膚ガス(アセトン)測定装置の開発」 <名古屋工業大学 教授 津田 孝雄>
イ 「ポリアミド樹脂の接合性改良技術の開発」 <有限会社アイ・オーアイ 友田 康治>
ウ 「高齢者社会参加・自己実現のための自動車乗降シミュレータ開発」 <有限会社イナテック 代表取締役社長 竹上 富彦>
エ 「パーキンソン病診断チップの開発」 <アイシン精機株式会社 バイオ事業グループ課長 藤田 聡>
オ 「擬ギャップ系金属間化合物をベースとする熱電変換材料の創製」 <名古屋工業大学 教授 西野 洋一>
カ 「木質圧縮材の機械部品への使用試験」 <中日精工株式会社 取締役技術部長 近藤 泰人>
キ 「ポリマーブレンドによる生分解性農業用ネット・ロープ他の開発」 <愛知県産業技術研究所 三河繊維技術センター 主任研究員 西村 美郎>
ク 「高齢者・障害者対応型自動車用乗降補助椅子の開発」 <アサヒ精機株式会社 代表取締役 寺本 善雄>
◆ 講師略歴及び研究テーマの概要は下記の通りです。
3 問合せ先 財団法人科学技術交流財団 小坂 松吉 松井 名古屋市中区丸ノ内二丁目4−7産業貿易館西館7階 TEL
052-231-1477 FAX052-231-5658 E−mail:t-matsui@astf.or.jp
○ 講師について
・講師 科学技術振興事業団 企業化開発事業本部
技術展開部長 細江 孝雄(ほそえ たかお)
・略歴 東京農工大学大学院発酵学専攻修了 科学技術振興事業団 情報部 同、業務部 同、技術管理部 同、企画室 調査役 同、技術展開部 部長 ※最近数年間はライセンシング、知的財産管理、企業・大学研究者等の開発助成、ベンチャー起業助成、大学・TLO等の特許出願支援など技術移転業務に専ら従事
○研究テーマの概要等
テーマ1
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超小型皮膚ガス(アセトン)測定装置の開発 |
研究実施機関
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名古屋工業大学 |
研究シーズ
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名古屋工業大学 教授 津田 孝雄 |
研究開発概要
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皮膚ガスとしてのアセトンを測定する小型で携帯可能な簡易型の測定センサーを開発することにより、生活習慣病の予防に役立てる。 |
テーマ2
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ポリアミド樹脂の接合性改良技術の開発 |
研究実施機関
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有限会社アイ・オーアイ |
研究シーズ
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名古屋工業大学 助教授 吉野 明広 |
研究開発概要
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接合助剤を活用してポリアミド樹脂をインサート成形(2次成形)にて強固に接合するとともに、接合強度を素材の持つ本質的な強度・特性に近づけることを目標とする。 |
テーマ3
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高齢者社会参加・自己実現のための自動車乗降シミュレータ開発 |
研究実施機関
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トヨタ車体株式会社 |
研究シーズ
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国立療養所中部病院長寿医療研究センター 部長 田村 俊世 |
研究開発概要
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老化・疾病などにより身体機能が低下した人を対象に、当該者の社会参加・自己実現を可能とする訓練手段として、リハビリテーション訓練用自動車乗降シミュレータを開発、提供する。 |
テーマ4
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パーキンソン病診断チップの開発 |
研究実施機関
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アイシン精機株式会社 |
研究シーズ
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名城大学 教授 金田 典雄 |
研究開発概要
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神経変性疾患では、病態過程に伴い、様々な遺伝子の発現パターン(プロファイル)が変化することが予想される。その発現パターンの変化した遺伝子(群)を同定することによりこの病態機能を解明する。 |
テーマ5
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擬ギャップ系金属間化合物をベースとする熱電変換材料の創製 |
研究実施機関
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名古屋工業大学 |
研究シーズ
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名古屋工業大学 助教授 西野 洋一 |
研究開発概要
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エネルギー有効利用の観点から熱電変換技術を推進するため、ホイスラー型合金Fe2VAl化合物を用いて新しい熱電変換材料を開発する。Fe2VAlは深い擬ギャップを形成しているので、元素部分置換によって擬ギャップ構造を巧みに制御することにより熱電特性の向上を追究する。 |
テーマ6
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木質圧縮材の機械部品への使用試験 |
研究実施機関
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中日精工株式会社 |
研究シーズ
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愛知県産業技術研究所 主任研究員 高須恭夫 |
研究開発概要
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一般的に使用されている樹脂歯車材の機械的物性と木質圧縮材を比較調査し、木質圧縮材で製作した歯車が、軽荷重の動力伝達について可能かどうか試験する。 |
テーマ7
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ポリマーブレンドによる生分解性農業用ネット・ロープ他の開発 |
研究実施機関
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石田製綱株式会社 |
研究シーズ
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愛知県産業技術研究所三河繊維技術センター 主任研究員 西村 美郎 |
研究開発概要
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生分解性樹脂のブレンド紡糸技術・製品化技術を確立し、微生物の働きにより、水と二酸化炭素に分解する生分解性繊維資材(ロープ、ネットなど)を開発する。 |
テーマ8
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高齢者・障害者対応型自動車用乗降補助椅子の開発 |
研究実施機関
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アサヒ精機株式会社 |
研究シーズ
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愛知県立芸術大学 助教授 中島 聡 |
研究開発概要
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高齢者や障害者の自動車への移乗を容易にするとともに、介助者の負担を軽減する目的で、一般自動車に必要時のみ簡単に着脱して使用する乗降補助椅子を開発試験し、製品開発につなげる。 |
※専門用語の解説
・RSP事業 (Regional Science Promotionの略。) |
科学技術振興事業団の委託事業による地域研究開発促進拠点支援(研究成果育成型)事業で、大学等の研究成果を調査・評価し、その育成を育成試験等で推進することにより、国や地域の技術移転諸事業への橋渡しを行い、実用化へつなげることを目的としている。 |
「超小型皮膚ガス(アセトン)測定装置の開発」関係
・アセトン |
特異なにおいのある無色の液体。化学式
CH3COCH3 水・アルコールに溶ける。揮発性が大きく引火しやすい。血液や尿にも微量含まれる。 |
「ポリアミド樹脂の接合性改良技術の開発」関係
・ポリアミド |
通称ナイロン。主鎖中にアミド結合(-CO-NH-)をもつ重合体の総称。適度な吸湿性と染色しやすさのため合成繊維として利用されたり、機械的強度や耐摩耗性にもすぐれることから歯車、ベルトなどにも用いられる。 |
「パーキンソン病診断チップの開発」
・パーキンソン病 |
脳の代謝異常により脳底の神経核に障害がおこり、手足が絶えず震え、筋の緊張が高まり運動障害を伴う疾患。 |
「擬ギャップ系金属間化合物をベースとする熱電変換材料の創製」関係
・擬ギャップ |
固体内では電子のとり得るエネルギーがバンド(帯)構造をしておりこれをエネルギーバンドという。絶縁体や半導体では2つのバンドが電子の入れないエネルギー帯(バンドギャップ)で分けられている。半導体に金属元素を添加していくと、ある濃度で半導体から金属へと変化する。これが、いわゆる金属−絶縁体転移である。この際,開いていたバンドギャップは閉じて金属の性質となるが、深い電子の状態密度の落ち込みが残る(熱電効果が期待できる)。このようなバンド構造をもつ物質群を擬ギャップとよぶ。 |
・熱電変換材料 |
熱を電気に変換するゼーベック効果を利用して熱電発電をするための材料。またゼーベック効果の逆過程であるペルチェ効果を利用して電流を与えることで熱電冷却も可能になる。既存の熱電材料としてはBi2Te3が知られている。 |
※
ゼーベック効果:2種の異なる導体(または半導体)の両端を接合して、2接点を異なる温度に保つとき,回路に生ずる起電力のことで,この熱起電力によって回路に熱電流が流れる現象はゼーベック効果と呼ばれる。 |
※
Bi(元素):ビスマス Te(元素):テリリウム |
・ホイスラー型合金 |
X2YZの化学組成をもつ2種類以上の金属の化合物の総称。 |
※ Fe(元素):鉄 V(元素):バナジウム
Al(元素):アルミニウム |
「ポリマーブレンドによる生分解性農業用ネット・ロープ他の開発」関係
・ポリマーブレンド |
2種類以上の高分子化合物を混合すること。 |
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